W杯 TV中継の舞台裏
就職支援担当の山口です。
健闘したサッカー日本代表は残念でした。
W杯もベスト8が出そろったので、ブログネタにするのも早めのうちに、という事で今回はW杯のTV中継の舞台裏をお伝えします。
※自身が関わってた2014年までのお話で、変わってたらすみません。
現地映像をLIVEで日本まで伝送するのは、TV局ではなく通信事業者です。
海外イベントの映像伝送は、KDDI、ソフトバンク、ネクシオン(映像伝送に特化した会社)の3社が毎回コンペに参加して受注競争を繰り広げます。NTTも映像部隊がいますが、日本発のイベントのみ参加で、海外発の時は出てきません。
TV局は、NHK+在京5局でまとまり、JC(ジャパン・コンソーシアム)と呼ばれる組織になります。単独では放映権が高すぎるので。オリンピックの時も同様。
各スタジアムからの映像は、現地に仮設される国際放送センター(IBC)に集められます。IBCは世界各国のTVスタッフが集まるため、万国人種博覧会の様相を呈します。
IBCから日本までは、通信事業者の用意した光海底ケーブル経由で伝送されますが、回線は【現用+予備】の組み合わせで運用し、現用設備に障害が起こると無瞬断で予備に切替わります。
さらにこの回線が、【東回り】【西回り】で2システム用意され、万が一ケーブルシステムごと障害になっても反対回りに無瞬断で切替わることで、LIVE映像を途切れさせない工夫がされています。【東回り】と【西回り】、合わせて地球をぐるっと一周する感じですね。
ハイビジョン映像は、1秒間に1.24ギガビットのデータレートで、そのまま伝送するとすぐに回線容量がひっ迫する為、圧縮して伝送します。
1.圧縮して、2.東/西回りの長距離伝送をして、3.無瞬断切替のためバッファリング、するため各段階で少しづつ時間が加算され、本当のオリジナルライブより、数ミリ秒~数秒遅延していきます。
例えば、現地IBCのテレコムルーム(通信スタッフの部屋)で日本戦をモニタしていると、まずJCのマスターブースから、「うおぉぉ」と歓声がきこえます。
なに事?と思っているうちに、監視しているモニタ上で日本のゴールシーンが映ります。
数秒して、電話でつながっている東京の監視センターのオペレーターが「やったぁー」と叫ぶのが聞こえます。
その数秒後、おそらくは日本全国のお茶の間でよろこびの声が聞こえるでしょう。まるで歓喜の声がウェーブになって地球を一周しているようで、想像すると楽しいです。
一喜一憂はありますが、サッカーのような平和なイベントを中継するのは嬉しい事です。
戦争や災害の映像を送・受信するよりは。。。
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