春にして…
就職支援担当の山口です。
今日2月4日は、二十四節気の一つ「立春」です。昨日の「節分」を境にして、今日から春。確かに、日が出ている時間が長くなった実感もあり、太陽の光も強さを帯びてきた気がします。
何よりもブログ担当に当たった日に、分かりやすいつかみネタを引くことが嬉しい。今日はこのまま「春」を引っ張ってブログに仕立てようと、一人ほくそ笑む感じです。
「春」で思い出す本は、アガサ・クリスティの「春にして君を離れ」という小説です。言わずと知れた有名な作家で、ミステリーの女王と呼ばれた彼女の推理小説は世界中で読み継がれています。
ただし、この「春にして君を離れ」では、殺人事件も起こらず、名探偵も登場しない。ミステリーと言われればそうかもしれませんが、一般的な彼女の作品の中では珍しい小説だと思います。
よき妻・よき母であると自負し満足している主人公は、遠くに嫁いだ末娘の病を見舞った帰りの一人旅をしていました。
荒天により交通網が寸断され、列車の来るあてのないまま、砂漠の中のレストハウスに留まることを余儀なくされた彼女ですが、ただもてあます時間の中で、今までの自分の事、家族や人生についての認識に疑念を抱き、今まで気づかなかった真実に気づいていきます。
20代で読んだ当初は訳の分からないモヤモヤ感と希望のなさを感じたのですが、対人支援の学習と経験をしてきた今は、「自己理解」と言う言葉を知ったため、彼女の痛みを伴う自己理解の過程がリアルに描かれていることに気付きました。
自分の真実に気づき理解を深めた後、「自己開示」ができるのか・・・。
今読んでも、やはり最後に切なさを感じはしますが、昔みたいに希望が無い、とは感じなくなりました。痛みを伴い、すべてを解決できなかったとしても、それを知ってしまった彼女の人生が良くなることを信じたいと思うようになりました。
ネタばれしないように本を紹介するのは難しいですね。この辺にしておきます。
PS.
先週盛り上がった、うっかり忘れエピソードですが、私はうっかり忘れは一切ありません!
なぜなら、うっかり忘れたことさえも忘却してしまうからです!!
「真実は忘却とともに離れ去り、残るのは夢うつつのみ」
20世紀の知の巨人、ロシアの哲学者スズキーノヴィッチ・ミエコフ※ の言葉です。
忘却、上等!
※架空の人物です。
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